損出しって何?どうやるの?

リピートFXを徹底解説

12月といえば損出しの季節です。あまり聞きなれない言葉かもしれませんし、”損”と聞くとネガティブなイメージかもしれませんが、やっても”損”をするわけではありません。

損出しとは、FXや株などの損失を確定させることです。

以下の図は私の2024年12月時点の評価損益ですが、確定するまでは幻です。
この約5万円の損失を確定することが損出しです。

これだけだと損するだけに見えてしまうので、損出しをする目的を簡単に説明します。
それは翌年支払う税金を減らすためです。FXで出た利益は雑所得に分類され、その利益に対して20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)の税金がかかります。

例えば、30万円の利益を出している場合、約6万円の税金を翌年支払うことになります。ここで、5万円の損失を確定しておくと、25万円の利益となるので、翌年支払う税金は約5万円となります。

では必ずしも損出しをした方が良いかというとそういうわけではありません。実はこれは支払う税金を先延ばししているだけです。

例えば、以下のような運用ができたと考えます。
1年目 30万円の利益(評価損益-5万円)→税金は約6万円
2年目 20万円の利益(評価損益0円)→税金は約4万円

もし1年目に損出しをしていたら、以下のようになります。
1年目 25万円の利益(評価損益0円)→税金は約5万円
2年目 25万円の利益(評価損益0円)→税金は約5万円
※運用の仕方によって、「20万円の利益(評価損益+5万円)」等となる可能性もありますが、便宜上上記のように記載しています。

結局はいつか支払う税金ですので、単年度の支払う税金を抑えているに過ぎません。

では、損出しは意味ないのかというと、そんなことはなく、3つの意味があります。

  1. 確定申告
    年間利益が20万円(FX以外の所得がない主婦・学生の場合は48万円)以下であれば確定申告が不要です。(ただし、1円でも利益がある場合は、市区町村に対して住民税の申告が必要)
    損出しすることで利益が20万円以下にできるのであれば、積極的に実施しましょう。
    なお、FX以外で確定申告が必要な場合(医療費控除やふるさと納税等)は、あわせて申告が必要となるので、その限りではありません。
  2. 設定の見直し
    リピート設定のレンジから外れてしまったり、レンジが変わってきてしまったと考えた場合は、設定の変更が必要となります。損出しにあわせてリピート設定を変更することをおすすめします。
  3. 精神衛生
    大きい含み損よりも、含み損がない(または少ない)状態で新年を迎えた方が心も穏やかでいられると思います。

リピートFXは含み損がたまっていきやすい性質があるので、毎年ある程度損出しをして設定を見直すことをおすすめします。ただし、多少手間がかかりますので、時間がある日にやりましょう。

なお、損失の繰越控除が3年あるので、年間利益がマイナスになるまで損出ししても良いですが、必ずしも3年で取り戻せるとは限らないので、年間利益がマイナスになるまでの損出しはおすすめしません。

ここからは、松井証券のリピートFXでの損出しのやり方について解説します。

下図の通り、USD/JPYで、132円でリピートFXをスタートして、現在121円になったとしましょう。リピートFXは、5円間隔で買い、10円上がったら売る設定だとします。このとき、2つの建玉を含み損として持っていることになります。

リピートFXでの損出しは①~④に示します。

①まずは対象となるリピート注文設定を停止します。このとき、2つの建玉も成行決済します(損失確定)。

②次に、先ほど決済した建玉と同じ通貨数分の成行注文で買います。1つは130円で決済されるよう指値注文を入れます。もう1つは125円で決済されるよう指値注文を入れます。このとき、スプレッド分以上下の指値を入れることをおすすめします。

③最後に、リピート注文設定を再度行います。図では、①と同じリピート注文を行うことを想定していますが、必要であれば、設定を見直してレンジ変更等を行います。

12月中に私も以下のNZD/USDを損出しするかもしれません。もし損出しした場合は、実際の画面を説明として載せたいと思います。

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